共有不動産

共有不動産に関する揉め事をパターン別に解説します!

複数の所有者が存在する共有不動産では、さまざまな場面で揉め事が起こります。
そのため、これから共有不動産を持つ可能性がある方は、揉め事が起きやすいことを留意した上で、所有者になるかどうかを決める必要があります。
今回は、具体的にどんな揉め事が起こるのかをパターン別に解説しますので、参考にしてください。

共有不動産に関する揉め事をパターン別に解説!①相続した共有不動産に関する揉め事

複数の相続人が、不動産を共有不動産として相続するというケースは非常に多いです。
また、そんな相続した共有不動産では、主に以下のような揉め事が起こります。

・売却したいのに共有者の同意がなくて売れない
・共有不動産に住む共有者が賃料を支払ってくれない
・居住していないにも関わらず税金を払わされる
・1度同意を得たにも関わらず急に反対されて売れない
・同意を得ずに勝手に共有者に不動産を売却された
・共有者持分比率以上の権利を要求された

この中でも特に多いのは、やはり“売却したいのに共有者の同意がなくて売れない”という揉め事でしょう。
共有不動産は共有者全員のものですから、どれだけ自分が売りたくても、全員の意見が揃わなければ売ることはできません。
また、1度同意を得て売却活動を進めていたにも関わらず、他の共有者が勝手な都合で、急に売却に反対し始めるというケースも少なくありません。

共有不動産に関する揉め事をパターン別に解説!②共有名義となっている収益物件に関する揉め事

相続した不動産は、相続人同士の協議の結果、収益物件として第三者に貸し出されることもあります。
ただ、そのような共有不動産では、単に相続した共有不動産とは違う、以下のような揉め事が起こる可能性があります。

・共有者が収益物件の賃料収入を分配してくれない
・共有者が賃料を負担せずに収益物件に住んでいる
・賃料設定で揉める

この中で多いのは、“共有者が収益物件の賃料収入を分配してくれない”という揉め事です。
共有名義の収益物件における賃料収入は、すべての共有者に受け取る権利があり、共有者が他の共有者に賃料収入を一切分配しないことは不法行為にあたります。
収益物件を管理している共有者のみが賃料収入を得て、それ以外の共有者は賃料収入を得られないということも、基本的には認められません。
また、共有名義の収益物件では、単純に賃料をいくらにするのかで揉めることも多いです。

共有不動産に関する揉め事をパターン別に解説!③夫婦で共同購入した共有不動産に関する揉め事

夫婦が不動産を共同で購入し、共有不動産を取得するというケースもよくあります。
このような共有不動産では、主に以下のような揉め事が起こります。

離婚協議中、共有不動産を売却したいが、妻は住み続けたいと言っている
・離婚後に住宅ローン返済の負担が大きくなる
・元配偶者が共有持分を担保に借金をしていた

夫婦で共同購入した共有不動産では、離婚時もしくは離婚後の揉め事が起こりやすくなります。
特に、自身は売却を希望しているものの、配偶者が住み続けることを希望しているというケースは非常に多いです。
この場合、共有者である配偶者は売却を拒否しているため、当然売却することができません。
また、住み続けることを希望し、それに配偶者が同意したとしても、単独名義になってしまうと、当初2人で分けて組んでいた住宅ローンを1人で返済することになる可能性があります。

まとめ

ここまで、共有不動産に関する揉め事をパターン別に解説してきました。
これから共有不動産を持つかもしれない方は、まず自身がどのパターンに該当するのかを確認し、どんな揉め事が起こる可能性があるのかを把握しましょう。共有不動産を取得すれば、100%揉め事が起こるというわけではありませんが、単独名義の不動産よりも多くのリスクが潜んでいるのは確かです。

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