新型コロナウイルスの影響で、収入が著しく減ってしまった世帯は、苦しい生活を強いられています。
特に職を失ってしまった方がいる世帯は、気が気でない生活を送っていることでしょう。
今回はそんな世帯に向けて、“個人向け緊急小口資金等の特例(総合支援資金(生活支援費))”について解説します。

個人向け緊急小口資金等(総合支援資金(生活支援費))の概要

当制度は、コロナの影響で仕事・生活に大きな影響が出た方(主に失業した方)を対象に、生活を立て直すための資金を融資するという制度です。
融資金額の上限は世帯の構成人数によって異なり、具体的には単身世帯で月15万円以内、2人以上の世帯で月20万円以内となっています。
据置期間は1年以内、償還期限は10年以内で、生活の立て直しを支える融資であるため、貸付利子や保証人はありません。
貸付期間は原則3ヶ月以内です。
ちなみに、据置期間とは、返済が猶予される期間のことを指し、償還期限とは、返済開始から終了までの期間をいい、据置期間が終了した後に償還期間に入ります。
今世間では、コロナの影響で職を失い、家族を養っていくのが難しくなっていても、なかなか新しい職に就けないという方は大勢います。
当制度は、そのような方々が少しでも早く元の生活に戻れるように、安定的な融資によるサポートを実現するものです。

申請先、必要書類について

当制度の申請先は、利用する方が住んでいるエリアの市区町村社会福祉協議会、あるいは労働金庫、取扱郵便局です。
郵送での申し込みも可能のため、まずは以下の必要な書類と注意点を確認しましょう。

①借入申込書
金額、署名・氏名の記入、押印がされているものを提出します。

②借用書
金額、住所・氏名・生年月日、貸付金の償還の記入、押印がされているものを提出します。

③重要事項説明書
記入日・住所・氏名の記入、押印がされているものを提出します。

④申立書
太枠内と下段の記入日・住所・氏名の記入、押印がされているものを提出します。

⑤住民票
世帯全員が記載されている住民票を用意しましょう。
ちなみに、本籍地ならびにマイナンバー表示は不要です。

⑥本人確認書類のコピー
以下のいずれかのコピーを、本人確認書類として提出します。
 運転免許証(住所変更をしている場合は両面コピー)
 パスポート
 マイナンバーカード(保護ケースに入れたまま表面のみコピー)
 健康保険証
 在留カード(特別永住者証明書)※外国籍の方のみ

⑦預金通帳またはキャッシュカードのコピー
預金通帳の金融機関名、支店名、口座名義、口座番号がわかる部分をコピーして提出します。

ちなみに、当制度の申込書に関しては、利用する方が住んでいるエリアの市区町村社会福祉協議会で入手することになりますが、現在はコロナ感染防止の観点から、郵送によるやり取りを原則としています。

申込書請求に係る問い合わせ先について

当制度の申込書は、社会福祉協議会、労働金庫、郵便局で請求できますが、当然住んでいるエリアによって問い合わせ先は異なります。
ここに労働金庫の問い合わせ先一覧を記載しておきますので、必要な方はぜひ利用してください。
ちなみに、社会福祉協議会、郵便局の問い合わせ先に関しては、すべて記載すると少し長くなるため、厚生労働省、郵便局のホームページから確認してください。

 労働金庫

居住エリア問い合わせ先
北海道北海道労働金庫
青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島東北労働金庫
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨中央労働金庫
新潟新潟労働金庫
長野長野労働金庫
静岡静岡労働金庫
富山、石川、福井北陸労働金庫
愛知、岐阜、三重東海労働金庫
滋賀、奈良、京都、大阪、和歌山、兵庫近畿労働金庫
鳥取、島根、岡山、広島、山口中国労働金庫
徳島、香川、愛媛、高知四国労働金庫
福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島九州労働金庫
沖縄沖縄県労働金庫

その他のポイントや注意点について

総合支援資金の貸付は、原則として、生活困窮者自立支援法の自立相談支援事業等による支援を受けていることが要件となっています。
ただ、当制度はあくまで特例のため、上記の支援を不要とする取扱をしても差し支えないとされています。
また、当制度は、“緊急小口資金”の特例と同じく、償還時においてなお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができます。
しかし、従前の貸付要件に基づき、総合支援資金(生活支援費)の融資を受けている方が、コロナの影響により収入を減少させ、償還が困難になっている場合、基本的には上記の償還免除の対象とはなりません。
なぜなら、個人向け緊急小口資金等の特例(総合支援資金(生活支援費))は、相談の受付を開始した令和2年3月25日以降の借入申込、令和2年1月16日から同年3月24日までの借入申込のうち、契約内容の変更があったものに対して適用されるからです。
ちなみに、当制度によって融資を受ける場合、以下の事項は必ず厳守しなければいけません。

①以下の事項が生じたときは、直ちに届け出ること
 住所を変更したとき
 改名・改姓をしたとき
 死亡または所在不明になったとき
 天災、火災その他の重大な被害を受けたとき

②以下の事項に該当しないこと
 資金を他の使途に流用する
 虚偽の申請、不正な手段により融資を受ける
 故意に償還金の支払いを怠る
 融資の目的を達成する見込みがない

当制度のよくある質問について

Q.アルバイトの収入が減少している(もしくは失業している)方も対象になる?

A.当制度は、相談者の世帯がコロナの影響による収入の減少・失業等により、生計維持のために貸付を必要としている場合であれば、対象になります。
したがって、雇用形態は関係ありません。
ただ、相談者が未成年で婚姻していない場合は、親権者または後見人の同意が必要になります。

Q.外国籍の方がいる世帯も対象になる?

A.当制度には、いわゆる国籍条項は存在しませんので、外国籍の方がいる世帯も当然融資の対象になります。

Q.自営業等個人事業主の方も対象になる?

A.世帯員に個人事業主の方がいる場合も融資対象となります。
ただ、当制度はあくまでも生活再建までの間に必要な生活費用を貸し付けるものであるため、事業の運転資金を貸し付けるものではありません。
事業の資金繰りについては、当制度ではなく“新型コロナウイルス感染症特別貸付制度”等を利用して、問題を解決することが適切でしょう。

Q.破産手続きを開始した会社の代表者がいる世帯も対象になる?

A.当制度の対象は、あくまで当該世帯の収入の減少等に着目するものであるため、破産手続きを開始した会社の代表者がいる世帯も当然対象になります。

Q.他の公的給付を受けていても対象になる?

A.総合支援資金では、失業等給付、職業訓練受講給付金、生活保護、年金等の公的給付等を受けている方は、原則として資金の融資対象なりません。
ただ、当制度はあくまで特例のため、必ずしも融資の対象外になるとは限りません。
しかし、生活保護を受給している方については、健康で文化的な最低限度の生活が保障されていることから、基本的には当制度の対象外となることが考えられます。

まとめ

ここまで、収入の減少や失業をした方・世帯に向けて、“個人向け緊急小口資金等の特例(総合支援資金(生活支援費))”について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
今は不安な生活を送っている方でも、当制度を利用できれば、ある程度不安から解消されることが予想されるため、まずは条件を満たしているかどうか確認しましょう。