借地人様は、地主様から底地(貸宅地)を借りているという立場です。
ただ、これからも底地(貸宅地)の利用を続けるのであれば、底地(貸宅地)の購入も検討してみては如何でしょうか?
購入することで、土地が借地人様ご自身のものになり、多くのメリットを得る事が可能になります。
ここからは、どんなメリットを得ることが出来るのか具体的に解説しましょう。

そもそも底地(貸宅地)の購入は可能なのか?

借地人様の中には、『そもそも、地主様から借りている底地(貸宅地)を購入できるの?』、『借りているだけで、購入しようと考えたことが無かった!』という借地人様も多いようです。
結論から申し上げますと、地主様と売買条件等の調整が付けば、購入は可能です。
地主様の中には、固定資産税た相続税の負担が大変ということで売却の相談に応じて下さる場合もあります。しかし、一方では、『先祖代々の土地は手放すことが出来ない』、『事情があって売却出来ない』と、地主様のご事情によっては売却に応じて頂けない場合もありますので、必ず購入できるとはいえません。また、稀にですが、地主様側から、『底地(貸宅地)を購入しませんか?』というような、アナウンスがある場合もあります。これは、何十年に1度といえる程のチャンスとも言えますので、可能な買取り、地主様と売買についてのお話しをされることを強くお勧めします。何故かというと、底地(貸宅地)を購入したくとも、地主様の売却しようというお気持ちが無ければ底地(貸宅地)の購入は実現しません。更には、底地(貸宅地)の売却を依頼される地主様側とすれば、安く売却してあげる必要はないのですから、相場より高めに購入することになるのは当然です。これが、地主様側からのアナウンスであれば立場は逆点しますので、底地(貸宅地)を購入する機会が巡ってくるばかりか、底地(貸宅地)を相場通りの価格か、もしくは少しお安く購入出来る可能性があるわけです。そういう意味で、チャンスと言っているのです。是非、地主様と真剣に話をされてください!仮に、借地人様にも事情があって購入出来ないのであれば、地主様には、『こんな借地を買ってもどうしようもない』などと無下にお断りをするのではなく、『購入したい気持ちは強くありますが、現在はこういう事情があり購入出来ません。』と丁寧に対応して下さい。地主様が借地人様に底地売却のアナウンスをされるということは、余程の事情があってのことです。この時の対応が、後の借地人様ご自身の譲渡承諾や建替え承諾等で、地主様の協力を得る際に悪い影響を与える事もあるので注意が必要ということになります。

借地人様が底地(貸宅地)を購入することのメリット

借地人様は既にその土地の60~70%の権利(借地権)を有していますので、地主様との底地(貸宅地)売買においては、一般のお客様が100%の価格で土地を購入するところを、30~40%程度で土地を購入する事が可能です。具体的に言えば、更地価格が坪当たり100万円で、借地権割合60%の場所で25坪の借地をしているとします。この場合、2500万円がこの土地の更地価格となり、仮に更地だった場合、一般のお客様は2500万円でこの土地を購入することになります。しかし、現状は借地権付きの土地ですので、この土地の借地人様に限り、1000万円程で2500万円の土地が購入出来るということです。驚きの半額以下です。なんとも信じられない、詐欺みたいな話に聞こえますが、これは借地人様だけの特典となり、これが借地人様が受ける最大のメリットといえるかと思います。これまで、借地を維持してこられた恩恵とも言えます。価格については、借地権割に応じて決める場合もありますが、売買時は50%でというケースも多々ありますので、そこは地主様との話し合いとなりますが、仮に50%でも底地(貸宅地)を購入出来るのであれば、大成功だと言えます。土地価格の半額で購入しても、売却時には50%近くの利益を得る事が出来るのだから。

では、借地人様が底地(貸宅地)を購入することによって、その他に一体どんなメリットが生まれるのでしょうか?

①地代を支払い続ける必要がなくなる

借地人様が底地(貸宅地)を購入することで、地代を支払い続ける必要がなくなります。
地代の金額は底地(貸宅地)によって異なりますが、毎月数万円程度かかるのが一般的であり、場合によっては借地契約更新のタイミングで値上がりすることもあります。
ただ、底地(貸宅地)を購入すれば、地代の支払いは不要となります。但し、土地所有者様として、固定資産税等の支払いが始まります。

②契約の更新、更新料の支払いがなくなる

借地人様が底地(貸宅地)を購入すれば、当然借地契約の更新や更新料の支払いもなくなります。
借地契約は、基本的に20年以上の長期契約であり、その間には経済状況により、更新料の相場なども大きく変わる可能性があります。
したがって、契約更新のタイミングでトラブルが起こることも珍しくありません。
ただ、借地人様が底地(貸宅地)を購入することで、そのような契約更新に関するトラブルもなくなります。

③許可や承諾料の支払いなしで増改築ができる

借地人様が底地(貸宅地)を購入すれば、地主様の許可を得る必要なく、もちろん承諾料の支払いもなしで建物の増改築ができます。
借地契約を結んでいる場合でも、底地(貸宅地)上に建っている建物が借地人様の所有物であることには違いありませんが、底地(貸宅地)自体はあくまで地主様の所有物です。
したがって、増改築には許可を得る必要があり、許可をもらった対価として承諾料を支払わなければいけないこともあります。
ただ、底地(貸宅地)を購入すれば、借地人様は上記のようなことに煩わしさや負担もありません。

④自由な使用、売却が可能になる

借地人様が底地(貸宅地)を購入することで、より自由な使用と売却が可能になります。
例えば、これまで住宅として使用してきた建物を取り壊して賃貸物件にしたり、更地にして駐車場を経営したりすることも可能です。
また、何かしらの理由で売却する際も、すでに底地(貸宅地)を購入していれば、地主様に相談する必要はありませんし、名義変更料を支払わなければいけないこともありません。

⑤売却の際の買い手が見つかりやすくなる(高く売れる!)

借地人様は、ご自宅を借地権付き住宅として売却することができます。
ただ、借地権のままで売り出す場合、もちろん借地人様は地主様に許可を得なければいけません。
また、ご存知の通り借地権には数多くの制約があるため、通常の不動産と比べて一般の買い手が付かない可能性も高いです。
ただ、借地人様が底地(貸宅地)を購入すれば、借地権の売却ではなく、“通常の所有権の土地”としての売却が可能になります。
なぜなら、底地(貸宅地)を地主様から購入した時点で、その土地の借地権は解消されるからです。
もちろん、第三者に通常の土地として売却する場合、地主様から買い取った金額よりも高い金額で売れる可能性が十分にあります。

⑥資産価値が100%になる

借地人様は、底地(貸宅地)を購入することで土地の資産価値を100%にすることができます。
逆に、借地権の場合、更地価格の60~70%と評価されます。
また、これはあくまで税務上の評価であり、いざ借地権を売却しようとしたときに、更地価格の60~70%の価格で売るのは簡単ではありません。
つまり、借地権のまま売却する場合と、底地(貸宅地)を購入して売却する場合では、売却価格に大きな差が生まれてしまうということです。
底地(貸宅地)を購入し、借地人様の完全な所有物とすれば、一般の土地と同じように、更地価格で売却することもできます。

⑦良い形で相続財産を遺せる

配偶者や子どもがいる借地人様の場合、底地(貸宅地)を購入すれば、良い形で相続財産を遺すことができます。
借地人様が亡くなった場合、その借地権は通常通り、一般的な相続財産と同じように相続されます。
また、相続人は借地権を相続する際、地主様に許可を得る必要はありませんが、場合によっては名義変更料等を要求されることがあります。更には、相続人が借地を相続することで、これまで通り、あるいはそれ以上の借地の制約や各種承諾料等の煩わしさや負担までも継承することになります。お子さんから借地は要らないと言われたという借地人様も多くおられるようです。
つまり、借地権のまま相続すると、配偶者や子どもに負担をかけてしまうかもしれないわけです。
ただ、底地(貸宅地)を購入し、何もしがらみのない土地として遺せば、相続人に負担をける心配もありません。

⑧建て替え時に住宅ローンを利用しやすくなる

借地人様が底地(貸宅地)を購入すれば、建て替え時に住宅ローンを利用しやすくなります。
なぜなら、建物だけでなく、土地も住宅ローンの担保にできるからです。
つまり、建物と土地の両方を担保にできることで、担保価値が高くなり、金融機関も安心して住宅ローンの貸し出しが出来るということですね。
したがって、建替えを検討している借地人様であれば、建替え資金に加えて、底地(貸宅地)の購入資金の融資も合わせて金融機関に相談すると良いでしょう。

 

底地(貸宅地)の購入時に注意することは?

底地(貸宅地)の購入は借地人様にさまざまな利点をもたらしますが、以下のことには注意しましょう。

①隣地との境界はハッキリしているか
借地契約を交わした当時は明確だったとしても、時間の経過によって隣地との境界がハッキリしなくなってしまうケースがあります。
したがって、底地(貸宅地)を購入する際は、必ず境界が明確になっているかどうかチェックしましょう。
また、仮に境界がハッキリしているとしても、地主様と隣地の所有者が認識している境界に差があることも考えられるため、地主様にはあらためて測量してもらうことをおすすめします。

②接道義務を果たしているか
底地(貸宅地)を購入しても、その土地が接道義務を果たしていなければ、新しく建物を建て直すことができませんので、注意しましょう。

③価格は適正か
底地(貸宅地)を購入する場合には、価格相場を基準に、地主様から提案された価格が適正かどうかもチェックしましょう。

まとめ 『この先100年地代等を支払っても、借地は永遠に自分の土地にはならない!』、底地(貸宅地)は可能な限り購入すべき!

仮に土地価格が坪当たり100万円で借地権割合60%の場所で25坪の借地をしているとします。地代を仮に毎月2万円(坪800円、値上げは考慮せず)、年間24万円の地代を30年間支払い続けると720万円にもなります。また、途中1度は更新料(借地権価格の5%で75万円とします)を支払いますので、累計約800万円を支払う計算になります。更に建替えとなると、承諾料100万円程度を加算することになります。これほどの大金をこの先30年支払いをしても、30年後も借地は借地なのです。底地(貸宅地)の価格は冒頭でも1000万円程かと思います。40年もすれば1000万円は軽く超えてしまいます。このまま借地を続けても土地は借り物のままです。更新時や建替え時が、地主様に底地(貸宅地)を購入の話をしやすいタイミングとも考えられますが、一日でも早く地主様に相談される方が良いのではないかと思います。