今この記事をご覧になっている方で、“マイナンバーカード”を実際に取得しているという方は、どれくらいいるでしょうか?
マイナンバーカードは、交付から3年以上が経過しているものの、いまだに普及率が芳しくありません。
今回は、マイナンバーカードの概要や普及率、なかなか普及しない理由などについて解説します。

マイナンバーカードの概要

マイナンバーカードとは、“個人番号カード”とも呼ばれるもので、2016年1月に交付をスタートさせました。
個人が申請することによって、無料で取得できるプラスチック製のカードで、表面には申請者の顔写真、氏名、住所、生年月日、性別が記載されています。
また、裏面にはマイナンバー(個人番号)が記載されており、本人確認書類として、または税や社会保障、災害対策の法令で定められた手続きを行う際、番号を確認するために利用できます。
ちなみに、マイナンバーカードがあれば、コンビニなどで住民票の写し、印鑑登録証明書を取得できますし、ICチップに搭載された電子証明書を利用すれば、さまざまな民間サービスを利用することも可能です。

マイナンバーカードの現時点での普及率は?

前述の通り、マイナンバーカードは無料で取得できるものであり、なおかつさまざまな場面で利用できる、非常に便利なものです。
ただ、決して十分に普及しているわけではありません。
皆さんの周りにも、“通知カード”は持っていても、マイナンバーカードは持っていないという方は、少なくないと思います。
マイナンバーカードの現時点(2019年9月時点)での普及率は、全人口のわずか14%程度であり、10人に8~9人は取得していないということになります。
政府は、2022年末までに、「ほとんどの住民がマイナンバーカードを取得する」と想定しているようですが、近年の普及率の伸び率だけで推測すると、達成は厳しいと言わざるを得ません。

マイナンバーカードがなかなか普及しない理由は?

では、なぜマイナンバーカードは、なかなか普及しないのでしょうか?
その理由は、主に以下の通りです。

①取得する必要性を感じない人が多い
マイナンバーカードがなかなか普及しない理由には、まず取得する必要性を感じない方が多いということが挙げられます。
確かに、近年は勤務先において、マイナンバーの提出が求められるなど、“マイナンバー”自体は、生活にかなり浸透してきています。
ただ、そのようなマイナンバーの提出は、通知カードがあれば可能であり、“絶対にマイナンバーカードが必要な場面”というのは、まだまだ少ないです。
そのため、個人がマイナンバーカードの必要性をもっと感じるようにならなければ、なかなか普及率は上がらないでしょう。

②本人確認書類として使えるものが別にあるため
先ほど、マイナンバーカードの概要で解説したように、マイナンバーカードは、本人確認書類として利用することができます。
ただ、マイナンバーカード以外にも、運転免許証やパスポート、健康保険証など、本人確認書類として使えるものは多く存在するため、わざわざ申請をしてまで、マイナンバーカードを取得しようと思わない方は多いです。

③個人情報の漏えいが危惧されている
マイナンバーカードを紛失することによって、カードに実装されたICチップ内のデータが漏えいしたり、マイナンバー自体が漏えいすることで、悪用被害に遭ったりすることを危惧して、マイナンバーカードの取得に踏み切れないという方も、非常に多いです。
ただ、実際マイナンバーカードのICチップには、税や年金、病気など、プライバシー性の高い情報は記録されていませんし、そもそもICチップの情報を確認するためには、事前に設定された暗証番号が必要になります。
また、マイナンバー自体が、カードの紛失によって漏えいしたとしても、マイナンバーのみでは手続きができないシステムになっているため、悪用されることもほとんどありません。
それでも、マイナンバーカードがこのような仕組みになっていることを知らず、「なんとんなく怖い」というイメージで、取得を敬遠している方が多いのは事実です。

④申請手続きが面倒
単純に、申請手続きをするのが面倒だということも、普及率の低さに繋がっていると言えます。
マイナンバーカードは、無料だとはいえ、顔写真を撮影して送信しなければ取得できませんし、交付申請から交付通知書の送付までには、およそ1ヶ月を要します。
また、マイナンバーカードは、直接申込者の住所に届くわけではありません。
受け取るには、通知書と通知カード、本人確認書類を持って、交付通知書に記載された住所に足を運ぶ必要があります。
そのため、このような少し煩わしい手続きを簡素化しないことには、なかなか普及率は上がらないでしょう。

政府がマイナンバーカードの普及率を上げたい理由は?

マイナンバーカードの普及率は、いまだに10人に1~2人程度ですが、政府は普及率をアップさせるために、マイナンバーカードを保険証として利用できるようにするなど、さまざまな取り組みを行っています。
では、そもそも政府は、なぜマイナンバーカードの普及率を上げたいと考えているのでしょうか?
その理由として挙げられるのは、すでに政府において、“マイナンバーカード普及を前提にしたシステム構築がされている”ということが挙げられます。
つまり、政府はマイナンバーカードが普及することを見越して、すでにそれに対応した政府システムを構築しているため、普及しなければ、国民生活の利便性向上、経済の生産性向上が進まなくなるということです。
ただ、そもそもマイナンバー制度導入の目的は、国民の利便性向上や行政の効率化、公平・公正な社会の実現であり、“すでに政府システムを構築している”ということを理由に、普及率をアップさせようとすることは、少し本来の目的からずれているようにも感じます。

これから先、マイナンバーカードの普及率は上がるのか?

何度も言うように、マイナンバーカードの普及率は、現時点ではかなり低いですし、マイナンバーカードを持つメリットについても、現時点では弱いということは事実です。
ただ、これから先、マイナンバーカードの普及率はまったく上がらないのかと問われると、決してそうとは言い切れません。
なぜなら、マイナンバーカードにおける利活用の場は、確実に広がっているためです。
例えば、マイナンバーカードを海外でも利用可能にし、在外選挙におけるインターネット投票ができるようにしたり、消費税率引き上げに伴う消費活性化策として、2020年度に予定されている自治体ポイントの実施に、マイナンバーカードの活用が検討されていたりします。
そのため、現時点ではメリットが弱いマイナンバーカードでも、少しずつ独自のメリットを増やすことで、必要性を感じ、取得する方が増える可能性は十分にあります。
また、マイナンバーカードの普及率が上がれば、マイナンバーカードのセキュリティ性が高いことや、その他のメリットについても認知される機会が増え、これまで敬遠してきた方が、取得に乗り出すケースも増えるでしょう。

まとめ

ここまで、マイナンバーカードの概要や普及率、普及率が上がらない理由などを中心に解説してきましたが、いかがでしたか?
マイナンバーカードを取得していないという方は、まだまだ多いですが、今後マイナンバーカードが必要な場面が増えれば、普及率が上がる可能性は十分にあります。
ただ、申請手続きの方法などにおいては、まだまだ改善の余地がありそうです。