不動産を所有している方の中には、持分における変更手続きを行う機会がある方もいるでしょう。
不動産の持分における変更手続きには、持分自体を変更するための手続きと、持分における名義を変更するための手続きがあるので、今回はそれぞれの方法について解説します。

不動産の持分自体を変更するための手続きについて

不動産の持分自体を変更するための手続きは、正確には“所有権更生登記”と言います。
例えば、夫婦で資金を出し合って戸建物件やマンションなどを購入したとき、登記に記載する持分は原則出し合った資金に応じて決定します。
ただ中には夫婦だからという理由で、実際出し合った資金のことを考えず、安易に持分を半分ずつにしてしまう方がいます。
このように、実際出し合った資金と持分の割合が異なる場合、確定申告時などに税務署から贈与税課税の可能性を指摘される場合があります。
例えば4,000万円の不動産を購入するケースで、夫が3,000万円、妻が1,000万円を負担したとします。
この場合、この不動産の持分割合は夫が3/4、妻が1/4ということになります。
ただ持分割合を半分ずつと登記してしまった場合、実際には妻が負担していない金額(上記で言うと1,500万円)が、夫から妻に贈与されたという扱いになる可能性があります。
つまり実際出し合った金額と持分の割合が異なる場合、本来支払う必要のない無駄な税金が発生してしまうということです。
したがって贈与税課税の可能性を指摘された夫婦は、すぐに所有権更生登記を行い、不動産の持分を出し合った資金に応じた適切な割合に変更しなければいけません。
不動産の持分自体を変更する手続きは、持分が減る方の印鑑証明書、登記識別情報通知または登記権利済証、不動産の全部事項証明書を用意した上で、司法書士に連絡するところから始まります。
その後司法書士事務所に来所し、書類と本人確認を行って、司法書士によって作成される書類に不動産の共有者全員で押印をします。
このとき、持分が減る方は必ず実印で押印をしなければいけません。
その後書類は不動産を管轄する法務局に提出され、申請開始から10日前後で所有権更生登記は完了します。

不動産の持分における名義を変更するための手続きについて

不動産の持分における名義を変更するための手続きは、“所有権移転登記”にあたります。
例えば、夫婦で資金を出し合って購入した不動産で、夫が被相続人となる場合は、夫の持分のみが相続されることになります。
したがって、夫の持分が相続人の手に渡る場合は、夫の持分の名義のみを変更するという形になります。
不動産の持分における名義を変更するための手続きは、単独で所有する不動産の名義変更をするときと同じく、法務局に申請することになります。
また申請を行う人物も、単独で所有する不動産の名義変更をするときと同じく、遺言か遺産分割協議によって決定されます。
ただ登記申請書の記載方法については、単独で所有する不動産の名義変更をするときと一部異なる点があります。
単独で所有する不動産の名義変更をするときは、登記の目的に“所有権移転”と記載します。
ただ不動産の持分における名義を変更する場合は、登記の目的に“○○(共有者)持分全部移転”と記載しなければいけません。
つまり登記申請書において、“持分の名義のみを変更する”という旨を明確にしなければいけないということです。
また相続人の欄には、相続人の氏名と名義が変更される持分の割合を記載する必要があります。

まとめ

不動産の持分におけるさまざまな変更手続きについて解説しました。
不動産の持分における変更手続きには、持分自体を変更する手続き、そして持分における名義を変更するための手続きの2種類があることを覚えておきましょう。
またどちらの手続きも急に行わなければいけないケースが多いため、不動産の持分の決定は慎重に行い、共有している不動産を所有する場合は、いつでも名義変更の手続きができるように準備をするべきです。

 

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