土地を所有する地主は、さまざまなケースで土地を借地権としてリースします。
そして少し特殊な目的で土地をリースしたい地主が利用する制度として、借地権の“一時使用”という制度があります。
借地権の一時使用とはどんな制度なのか、そしてどんな時に使える制度なのかを解説します。

借地権の“一時使用”って何?

借地権の一時使用とは、簡単に言うと短期間の契約で土地をリースできる制度のことを言います。
1年や2年などの短い契約期間を定めて、数年後にはリースしていた借地権を借主に返還してもらいます。
借地権の一時使用制度を利用して土地をリースする場合、契約において必ず一時使用の理由を明確にしておかなければいけません。
また借地権の一時使用制度を利用した契約は必ずしも認められるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。
地主と借主の間で具体的に契約内容を固めることはもちろん、一時使用の対象となる建物の構造や種類、権利金などの発生の有無なども細かく設定します。
つまり借地権契約において、“一時使用制度による契約”と記載するだけでは認められない契約だということです。

借地権の一時使用はどんなときに使えるのか?

では借地権の一時使用は、どんなケースで利用できる制度なのでしょうか?
いくつか例を紹介しましょう。

・所有する土地を数年後に利用する予定がある
現時点では利用していない土地を所有している地主がいます。
ただこの土地には、数年後に居住用の建物を建設して利用する予定があるとします。
この新居が建設されるまでの数年間だけ、借地権として土地をリースして賃料を得たいという場合は、借地権の一時使用を利用すべきケースです。
数年間だけ土地を運用することができ、新居を建てるタイミングで借地権を返還してもらえます。

・建設工事などに伴い一時的な借地契約を打診された
地主が所有している土地の近くで、大規模な建設工事が行われているとします。
その際建設会社から、資材置き場として一時的に土地を借りたいと打診された場合、地主は借地権の一時使用を利用するのが有効です。
建設工事は期間が定められているため、終了すれば滞りなく借地を返還してもらえます。

・展示会場として一時的な借地契約を打診された
地主が所有している土地のすぐ近くで、車などのメーカーによる商品の展示会が行われているとします。
その展示会場として、メーカーから一時的な借地契約を打診された場合も、借地権の一時使用制度に向いているケースでしょう。
期間限定のイベントも建設工事と同じく期間が決まっているため、地主は短期間で効率良く利益を上げることができます。

・仮店舗として利用するために土地を借りたいと打診された
老朽化が進んだ店舗が近くにあり、その店舗を改装している間のみ、仮店舗として利用するために土地の借地契約を打診されることもあります。
このケースでは、店舗の老朽化がひどい場合は建て替えになる可能性もあり、借地権の一時使用制度を利用して1年前後の借地契約を結ぶことができれば理想的でしょう。

借地権の一時使用において借主(借地権者)は、契約期間が満了すると即座に借地の建物、設備を撤去し、地主に借地を返還する必要があります。
借地が返還された後に利用する計画を立てている地主もいるので、返還の時期に遅れが生じることは基本的に許されません。

まとめ

借地権の一時使用は、地主にとっても借地権者にとっても、さまざまな場面で利用できる制度です。
ただ借地の返還時期や条件などを細かく設定していないと、トラブルが起こりやすい制度であることも事実です。
短期間の契約ではありますが、数十年単位の借地契約と同様、雑になることなく適切な契約書を作成しましょう。
そもそも契約書の内容が適切でなければ、借地権の一時使用は契約として認められません。

 

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