不動産売却時に利益を得た場合、その利益分は所得となるのですが、譲渡所得か一時所得かで悩むことがあります。不動産売却時に利益があればそのどちらかが課税されるのですが、譲渡所得と一時所得は似ているようで異なります。その違いを解説していきます。

・一時所得とは?

一時所得というのは、臨時に得た収入など継続性がない収入を指し、競馬や競輪などの公営競技の払戻金やクイズ番組の賞金、保険の満期払戻金、地主様からの立ち退き料、法人から一時的に業務以外で贈与された金品などがこれにあたります。

不動産売却時、それが法人から贈与された不動産であれば一時所得にあたる可能性があります。ただし、最初から売却目的で贈与を受けた場合はともかく、取得から日数が経過した場合などは一時所得とはならない可能性があります。

一時所得にかかる所得税は、総収入額から必要経費を差し引き、そこから金額に応じた最大50万円の控除額を差し引いた金額の2分の1を課税対象として計算します。総合課税となるので、一時所得以外の給与所得などと合算して納税額を計算します。その際は、最大45%が納税額となります。

・譲渡所得とは?

譲渡所得というのは一時所得と同じく所得税の課税所得区分の1つですが、資産の譲渡によって得た所得が分類されます。そのため、一般的に不動産売却で得た利益は、一時所得ではなく譲渡所得に分類されます。

譲渡所得は短期譲渡所得と長期譲渡所得に分かれていて、それぞれ課税される税率が異なります。その違いは売却時の所有期間が5年を超えるかどうかであり、所有期間が5年以下であれば短期、5年を超えていれば長期となります。

短期譲渡所得の税率は、所得税が30%、住民税が9%、復興特別所得税が0.63%で合計39.63%となります。長期譲渡所得の税率は、所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%の合計20.315%です。つまり、所有期間が5年を超えた場合は税率がほぼ半分となります。

これらの違いが大きく関わってくるのが確定申告の時で、不動産売却時の利益を一時所得に記入してしまうと訂正を求められるかもしれません。

ただし、不動産を法人から贈与された場合は、不動産売却の利益が一時所得に分類される可能性があります。この場合は、税理士等の専門家に相談してみましょう。

譲渡所得には、総合譲渡所得という一時所得と同様の課税方式のものもあります。そのため、不動産売却利益も一時所得と考えてしまうなどの勘違いが生じることもありますが、基本的には譲渡所得ということを覚えておきましょう。