遺産相続の際、複数の相続人がいる時に問題となるのが、土地などの不動産です。特に1つの不動産しか遺産がない場合は不動産売却をすることも多いのですが、その際は相続税以外の税金も課税されることに気を付けましょう。

・相続時の不動産売却で、相続税以外に課税されるのは?

相続時に不動産売却をした場合、相続税以外にも所得税や住民税が課税されることがあります。これらの申告については、それぞれ申告期限と支払うタイミングが異なります。

所得税は不動産売却の翌年2月16日から3月15日が納期限となり、相続税は、相続を開始した日の翌日から10か月以内に申告しなくてはいけません。また、住民税は所得税を申告した後の5月に納付書が送られてきます。

このうち、住民税は4期に分けて支払うことができるのですが、相続税と所得税については納期限までに支払う必要があります。また、確定申告が必要となりますが、確定申告は相続人それぞれが行う必要があります。

所得税については譲渡所得という分類になるのですが、これは土地を手に入れてから売却するまでの期間が5年を超えるかどうかで所得税と住民税それぞれの税率が異なります。

このとき勘違いしがちなのが、相続直後だから所有期間がない、と考えてしまう事です。相続時に所有期間も引き継ぐことになるので、被相続人がその不動産を所有してからの期間も含まれます。

また、土地の売却価格を基に課税されるのではなく、土地の売却価格から土地の取得費用や掛かった経費を差し引いた利益分に課税されることにも注意しましょう。不動産売却時には、相続税の一定額も取得費に加算することができます。

・不動産売却時に必要な手続きは?

相続時に不動産を売却する際は、まず遺産分割協議を行って遺産分割協議書を作成しなくてはいけません。遺産分割協議が終わるまでは不動産は相続人全員の共有財産となるので、誰かが勝手に売却することはできないのです。

また、すでに亡くなった人の名義のままでは不動産売却が不可能なので、名義は相続人に変更しなくてはいけません。このときに誰か一人が所有する場合は所有権移転登記だけでいいのですが、共有となる場合は持分移転登記も必要となります。

不動産を相続する際、実は過去に名義を変更していなかったために名義人が異なる場合があります。例えば父が亡くなったけれど、土地の名義は祖父のままだった、という場合です。その場合は祖父の相続手続きからやり直す必要があります。

相続時に不動産売却をする場合、手続きを怠ると相続税が誰か一人だけに課税されたり、所得税などを多く支払う必要が出てきたりすることもあります。そうならないように、遺産分割の手続きはきちんと行いましょう。